スポンサーサイト
-- / -- / -- ( -- )
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
九州の人気ブログランキングへ

スポンサー広告 | page top↑
一般公開に向け準備中!世界遺産登録を目指す【万田坑】(荒尾市)の魅力にせまる。
2010 / 02 / 05 ( Fri )
かなり大げさなタイトルを付けてしまいました。
今回は仕事の合間ではなく、仕事の一環として荒尾市の「万田坑」(まんだこう)に行ったので、(うしろめたさなく書くことができ)力が入っているんです。

ただ、国指定重要文化財及び史跡の「万田坑」(まんだこう)は、現在改修工事中で、近くで観ることはできません。
「九州・山口の近代化産業遺産群」の一つとして平成21年1月に世界遺産暫定一覧表に記載され、本登録に向けた整備が行われているのです。

人が訪れたことを想定した安全性の確保や周辺整備、保存のための改修などが必要なんでしょう。

まず最初に行ったのが、「万田坑」の道を挟んだ向かい側にある「万田炭鉱館」です。万田坑のイメージに合わせたレンガ造り風の外観が特徴。
ただし、実際には公民館的役割が大きく、資料館としての機能はさほど充実してはないという館長の話でした。その館長は万田坑で実際に働いていたそうです。

10.2.4万田炭鉱館 (2)

初めて見る私にとっては、興味深いものがたくさん展示されていました。

10.2.4万田炭鉱館 (8)

石炭は、かつては“黒いダイヤ”と呼ばれていたそうですが、確かに黒く輝いていました。これも立派な石です。が、元は植物なんですよね。

ここで、「万田坑」の魅力に入る前に、福岡県大牟田市と熊本県荒尾市にまたがる「三井三池炭鉱」の全体像を知っておく必要があります。私もそれを知ったことで「万田坑」の魅力が深まったと言っても過言ではありません。

さて、この地域で石炭が発見されたのは、今から約540年前の文明元年(1469年)。稲荷山(とうかやま)で農夫伝治左衛門が石が燃えているの見つけました。その当時の日本は室町時代で、応仁の乱(1467年)の混乱の時代です。

そして、江戸時代に入ると、文政3年(1856年)に民営だった稲荷山は生山(いくやま)とともに三池藩による藩営の採掘場になります。

開国後の明治6年(1873年)には、政府の「富国強兵・殖産産業」を推し進め、国内炭鉱への外国勢力の進出を防止するために、官営としました。
労働力不足をまかなうために、囚人が坑夫として送り込まれました。
その囚人がいた刑務施設が「集治監跡」で、現在の三池工業高校です。
囚人は主に「宮原坑」(←ここも世界遺産を目指す近代化産業遺産の一つ)で石炭採掘に従事し、それは炭鉱が“三井”に払い下げられた後も続きます。
炭鉱が民間の“三井”に払い下げられたのは明治22年(1889年)です。このときの初代事務長に就任した「團琢磨」氏は、とても頭がよかったらしく、13歳で明治政府の留学生としてアメリカに渡っています。
そこで鉱山学を学びました。
当初は国の下で働いていましたが、三池炭鉱が民間に移ったのと合わせて團琢磨も“三井”へと移ったのです。

留学で学んだ知識・技術を活かし、炭鉱の近代化を図る中で、次々に坑口を造っていきます。
石炭は地中で一つの大きな層を形成しているので、採掘が進むと坑道もそれに従い伸びていきます。アリの巣(またはもぐら穴)のように掘られた坑道は、最終的には地下600メートルにまで達し、有明海の中央部付近まで伸びました。石炭の層が傾斜しているので、掘り進んでいくにつれ深くなっていくようです。
なので、坑口はたくさんありますが、地下ではすべてつながっているのです。
坑口のほとんどは大牟田市にありますが、「万田坑」(明治と「四山坑」の2つが荒尾市にありました。広大な三池炭鉱ですが、荒尾市の部分はほんのわずかなんです。

「万田坑」は、明治30年(1897年)から同35年(1902年)にかけて作られた第一竪坑と、明治31年(1898年)から同41年(1908年)にかけて作られた第二竪坑とからなります。

※余談・・・明治40年(1907年)8月16日に、与謝野鉄幹、北原白秋ら「五足の靴」が三池炭鉱を訪れています。

ただ、大牟田市ほどではなくても、この2つの坑口のおかげで、荒尾市はだいぶ潤ったということです。
戦後の復興に大きな役割を担ってきた石炭も、高度成長期の石油へのエネルギー転換の影響で、徐々に衰退していきます。国内生産はコスト高もあって、海外の安い石炭のが入ってきたことも原因の一つとなりました。
昭和35年(1960年)頃には、大量解雇に伴う大規模な労働争議が起こります。(三池争議)

「万田坑」は昭和26年(1951年)に採炭を終了。坑道に新鮮な空気を送り込むメンテナンス施設として稼働は続きます。
そして、平成9年(1997年)に「三井三池炭鉱」は閉山しました。

炭鉱の歴史は、単に日本の近代化を支えてきたという功績だけでなく、戦時中の強制労働や労働者のじん肺など、さまざまな問題を抱えていた、いわば光と闇を併せ持った歴史と言うことを忘れてはいけないと思いました。
(うーん。ちょっと難しくなってきました)

詳しくは、「大牟田石炭WORLD(大牟田市石炭産業科学館)」サイトをご参照ください。
(他にもいろいろあります)

いやー勉強になりました。
ほとんどが大牟田市なのに、世界遺産への取り組みとしては「万田坑」が中心となっていることにも驚きです。
(大牟田市にはあまり建物などが残ってないそうです)

10.2.4万田炭鉱館 (1) 10.2.4万田炭鉱館 (11)

ビデオの上映や昔の写真などもあります。
ただし、写真はみなさん意外ときれいな格好なんですね。
なんでも、撮影用だから・・・という話も後で聞きました。

現在「万田坑」は整備中ということですが、手前に新しく「万田坑ステーション」という建物がオープンしていました。

万田坑ステーション

こちらは純粋に「万田坑」の資料館です。
4月末の一般公開時には、「万田坑」の見学がなんと有料になるそうで、ここが受付場所になるそうです。
(えーっ!と思いましたが、維持管理にお金がかかるんでしょうね)

ここでは、やはり炭鉱で働いていたというガイド(?)の方に詳しく説明を聞きました。
資料を聞くのと、実際に働いていた人の生の声を聞くとでは雲泥の差がありますね。
とても分かりやすく、疑問点にも答えていただけるので、「万田坑」の魅力を理解することができました。

展示物も立派でした。

万田坑ステーション1 万田坑ステーション2

左が当時の「万田坑」全体の復元ジオラマです。
とても広く、いろんな建物があったそうです。
右の写真は、現在残っている建物と櫓です。(煙突は跡しかありません)

明治期の万田坑全景 万田坑

左が当時の写真で、右が残っている建物の写真(修復前)です。
いずれも万田坑ステーションで撮影させていただいたものを掲載しています。
全部が残っていれば、間違いなく世界遺産だったでしょうね。
一般公開が楽しみです。

DSC_0018_20100205185255.jpg DSC_0020_20100205185255.jpg

今回の修復工事で新しい発見があったことを教えていただきました。
それは、櫓の鉄骨は、当時できたばかりの官営八幡製鉄所で造られた鉄骨が使用されていたといわれていた(推測されていた)らしいのですが、塗装をはがしてみるとイギリス製ということが刻印より分かったそうです。
(だから何?と、いわれても・・・)

DSC_0022_20100205185254.jpg

遠目から撮影した「万田坑」です。
櫓がきれいに塗り直してあるのが分かります。

実は、この後、大牟田市の「石炭産業科学館」に行って、さらに詳しく学びました。
熊本ではないのでここでは紹介しませんが、とにかくお金がかけられた立派な施設で、すごかったです。
ただ、子どもには難しい内容でありながら、子どもでも楽しめるように作られているところに無理が生じているという印象でした。
(行ってみてください)

「万田坑」・・・4月下旬の一般公開が待ち遠しいです。

おおまけ↓

自販機

売上の一部が万田坑世界遺産の支援に活かされています。
普通より高いわけではありません。

メロンパン

家族へのおみやげ。「万幸堂」のメロンパン(100円)です。
荒尾駅のほうにあります。(下マップ参照)


より大きな地図で 検定に出ない熊本雑情報マップ を表示
関連記事
九州の人気ブログランキングへ

伝統・歴史・文化 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
<<幻想の灯【山鹿灯籠浪漫・百華百彩】(山鹿市)始まりました。 | ホーム | 芸術的な二重アーチの石橋【岩本橋】(荒尾市)>>
コメント
----

こんばんは。
素晴らしいご紹介ですね、頭が下がります。
万田坑は10年近く前に行きましたが、当時はまだ全然整備はされてなくて、数日間限定で見学ができるというときに行きました。
重厚な黒光りしている巻き上げ機に圧倒されたのを思い出します。
新しい施設も出来てるのですね、知りませんでした。また行きたくなりました。
by: ゆったり人 * 2010/02/06 17:26 * URL [ 編集] | page top↑
--Re: タイトルなし--

ゆったり人さんへ

万田坑の中を見られたことがあるんですねー。
うらやましいです。
ほんと、一般公開が待ち遠しいです。
by: 管理者U * 2010/02/07 20:49 * URL [ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://uspa.blog27.fc2.com/tb.php/333-7f5d1de2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。